AIDMAとは?8年運用してわかった『段階別施策切り替え地図の正体』と設計の正解

AIDMA』って、ぶっちゃけ意味わかってますか?

株式会社Cameen 西村温裕ことおんゆーです。

この記事でわかること
  • AIDMA(アイドマ)とは「購買行動モデル」ではなく「顧客の心理段階に合わせて施策を切り替えるための地図」
  • 本質は「5段階を覚える」ではなく、各段階で必要な打ち手が完全に違うことを認識すること
  • 設計の正解は顧客の現在地から逆算すること(全員に同じ施策を打つと崩壊する)
  • 機能しないAIDMA設計には3つの典型パターンがある
  • 今日から使える設計5ステップで骨格が組める

で、SNSを開いてもマーケの本を開いても、出てくる出てくる。「AIDMAが古典」「Attention・Interest・Desire・Memory・Action」「購買行動の基本」と。いやちょっと待ってください。そもそもAIDMAって、結局なんのために何をする枠組みなんですか?というところなんですよね。

なんとなくのイメージはあると思います。注意・関心・欲求・記憶・行動の5段階モデルでしょう?と。でも、いざ「自分の事業のAIDMAを1枚で書いて、各段階の打ち手を説明してください」と言われると…意外と詰まる。「AIDMAの5段階は知ってます」までは言えても、それが「実際の施策にどう活きているか」、まったく言語化できない。

これ、自分だけだと思ってませんか?

うちの事業でAIDMAを8年運用してきて、自社運用とクライアント案件を合わせるとAIDMA設計に関わった案件数は100本を超えています。その中でいろんな受講生さんや代行先と話してきたんですが、「AIDMAは知ってるけど活かせてない」「5段階で何すればいいかわからない」という相談は本当に多いんです。話を深掘りしていくと、ほぼ全員が「AIDMAそのものの正体」を掴めていないまま、なんとなく覚えているだけ。そういう共通パターンが見えてきたんですよね。

今回はその「今さら聞けないAIDMA」を、表面的な解説ではなく、構造の核心と設計の正解まで一気に深掘りしていきます。読み終わる頃には、自分の事業のAIDMAが「なぜ活きないか」「どこから組み直せばいいか」が、紙に書き出せるレベルになっているはずです。

目次

結論:AIDMAの核心は『5段階モデル』ではなく『施策切り替え地図』

結論

結論を言ってしまうと、AIDMAは、よく「購買行動の5段階モデル」と説明されるんですが、これは半分正解で半分間違いです。

AIDMAの本当の正体は、「顧客がどの心理段階にいるかを把握して、その段階に最適な施策を切り替えるための地図」なんですよね。

「5段階モデル」というのは、結果としてそうなっているだけ。各段階で施策を切り替えるために5段階に分解されている、というのが正しい順序です。モデルそのものは、AIDMAの「視覚化結果」であって「本質」じゃないんです。

じゃあ本質は何かというと、Attention段階の顧客にDesireを刺激する施策は効かない、Memory段階の顧客にAttentionの施策は効かない、というふうに『顧客の段階×施策のマッチング』が成果を分けるという認識。『段階別の最適施策切り替え』がAIDMAの心臓部です。

で、なぜここを最初にハッキリさせるかというと、ここを「5段階モデル」だと思い込んでいる人は、AIDMAを「覚えるべき知識」と解釈して、大体崩壊するからなんですよね。AIDMAの5段階は知ってます、はい完了、と。

それはAIDMAの理解ではなく、ただの「暗記」になってしまいます。施策に活きていないので、結局全顧客に同じ施策を打って成果が分散する、というよくある袋小路になります。

なぜ『AIDMA』と呼ばれるのか。構造的な理由を掘り下げる

もう少し深く掘ります。

なぜこのモデルは「AIDMA」と呼ばれるのか。これには、ちゃんと理由があります。

5段階の英語頭文字です。Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)。1924年にサミュエル・ローランド・ホールが提唱した、購買心理の古典的モデル。100年以上の歴史があるが、現代でも基本フレームとして有効です。

たとえば、うちの事業のAIDMA運用はA=広告とSNSでの認知獲得、I=ブログ・無料コンテンツで関心深化、D=お客様の声・実績で欲求形成、M=メルマガで記憶定着、A=オファーで行動促進。各段階で完全に違う施策を打っています。

ここで重要なのは、「AIDMAは『各段階で施策が完全に違う』ことを示す地図」ということなんですよね。Attentionの顧客に欲求形成施策を打っても効かない、Memoryの顧客に認知獲得施策を打っても効かない。段階を間違えた施策は、いくら打っても無駄になる、というのがマーケティングの基本原理です。

たとえば、初めて自社を知った人に『今すぐ購入してください』とCTAを出すのは早すぎる。Attention段階の顧客には、まず関心を深めるコンテンツが必要。段階に応じた施策の切り替えこそAIDMAの活用法です。

ここ、勘違いしている方が本当に多いです。「AIDMAは5段階の流れ」ではなく、「AIDMAは段階別施策切り替えの地図」が正解です。

各段階で『顧客の頭の中』で何が起きているか

もう1つ、AIDMAの核心を掴むために大事な視点があります。それは「各段階で顧客の頭の中で何が起きているか」です。これを理解しないままAIDMAを覚えても、施策に活きません。

各段階の顧客の頭の中はこう動いています。

  • Attention(注意):「あ、なんかある」(認知の瞬間、3秒)
  • Interest(関心):「もう少し知りたい」(自発的に情報取得)
  • Desire(欲求):「欲しいかも」(購入候補化)
  • Memory(記憶):「あの商品、まだ気になる」(継続的に頭に残る)
  • Action(行動):「買おう」(購入決断)

この5段階で必要な施策が完全に違います。Attentionには『目を引くクリエイティブ』、Interestには『深掘り情報』、Desireには『お客様の声・実績』、Memoryには『リマインド配信』、Actionには『背中押しオファー』。これがAIDMAの段階別施策です。

たとえば、SNS広告でAttention獲得→ブログ記事でInterest深化→お客様の声でDesire形成→メルマガでMemory定着→限定オファーでAction促進、というファネルが組まれます。各段階に合った媒体・コンテンツを切り替えるのがAIDMA運用の本質です。

もう1つ、AIDMA運用で大事なのが『段階ジャンプを期待しない』こと。AttentionからいきなりActionに飛ばすのは不可能、必ずInterest→Desire→Memoryを経由する。段階を飛ばす施策は失敗します。

うちの事業でAIDMA代行をやってきた中で、「広告から直接購入に繋がらない」という相談の9割は、『AttentionからActionへの段階ジャンプを期待していた』ことが原因でした。各段階を順番に通過させる施策設計が、AIDMAの正しい使い方です。

身近な話で全体像をつかむ

ここまでで「AIDMAは段階別施策切り替えの地図」「段階ジャンプは不可」という話をしました。ただ、ここで一旦、専門用語から離れて、身近な話に置き換えて全体像を掴んでおきましょう。

恋愛の発展段階、想像してみてください。あれ、よく考えてみてください。完全に「AIDMA」と同じ構造になっているんです。

恋愛は段階を経て発展します。『出会い(Attention)→興味(Interest)→好き(Desire)→ずっと頭から離れない(Memory)→告白(Action)』。5段階を順に通過するから、最終的に告白が成功します。これがAIDMAと同じ構造です。

恋愛失敗パターンは、出会った瞬間にいきなり告白すること。『初めて会った人にいきなり告白』しても成功率はほぼゼロ。相手の興味を引き、好きになってもらい、ずっと記憶に残る段階を経てから初めて、告白が受け入れられる。マーケも同じです。

賢い恋愛アプローチは、各段階で違う行動を取ります。『出会い段階では印象に残るアクション、興味段階では深い話、好き段階では特別感の演出、記憶段階では適度な連絡、告白段階では真剣な気持ち』。段階別の最適アプローチを切り替える。これがAIDMA運用と完全に同じ。

もう1つ、恋愛で大事なのは『相手が今どの段階か』を読むこと。『相手はまだ興味段階なのに、好き段階のアプローチを取る』とドン引きされる。相手の段階を読み間違えた施策は逆効果。マーケで顧客段階を読み間違える失敗と同じです。

そして、恋愛の各段階には『最適な期間』があります。出会い段階は数日、興味段階は1〜2週間、好き段階は1ヶ月、記憶段階は数ヶ月、告白までは半年のような時間軸。マーケのAIDMAも同じで、各段階に必要な時間を尊重します。

この比喩を頭に入れておくと、自分のAIDMA運用を見るときに「これは『恋愛発展』レベルに、各段階で適切な施策を切り替えているか」というふうに、判断基準がいつもクリアになります。ぜひ覚えておいてください。

AIDMAが『機能する』とはどういう状態か

では、AIDMA運用が「機能している」とは、具体的にどういう状態のことを言うのか。ここを数値と構造で明確にしておきます。

機能しているAIDMA運用には、3つの特徴があります。

機能するAIDMA運用の3条件
  • 各段階に対応する施策が定義されている:5段階×5施策の対応表が存在
  • 顧客の現在地が把握できる:行動ログから段階を判定する仕組み
  • 段階移行率が計測されている:A→I→D→M→Aの転換率がわかる

1つずつ補足します。

1つ目、「段階別施策対応表」。A=広告、I=ブログ、D=お客様の声、M=メルマガ、A=オファーのように5段階に施策を割り当て。施策ゼロの段階があれば、ファネルが切れているサインです。

2つ目、「顧客の現在地把握」。『広告クリックのみ=A段階、ブログ訪問=I段階、メアド登録=D段階、メルマガ開封中=M段階、商品ページ訪問=A段階』のように行動から判定。CRM・MAツールで管理できます。

3つ目、「段階移行率計測」。A→I転換率、I→D転換率、D→M転換率、M→A転換率を月次計測。最も転換率の低い段階がボトルネック、改善対象になります。

この3つが揃って、初めてAIDMAが「機能している」と言えるんですよね。多くの事業は1つ目の『段階別施策対応表』がないので、施策が段階に最適化されていない、というよくあるパターンです。

AIDMA設計が『機能しない』典型パターン3つ

逆に、AIDMA設計が機能しない典型パターンも整理しておきます。うちの事業で100本超の案件をやってきた中で、「これ、また同じやつだ」というパターンが3つ繰り返し出てきます。

機能しないAIDMA 3パターン
  • パターン1:段階無視症候群(全顧客に同じ施策)
  • パターン2:段階ジャンプ症候群(AからAに飛ばす広告)
  • パターン3:Memory放置症候群(獲得後のリマインドなし)

1つずつ深掘りします。

パターン1:段階無視症候群。これが一番多いです。全顧客に同じメルマガ・同じ広告を配信するパターン。Attention段階の人にも、Memory段階の人にも、同じメッセージ。当然、誰にも最適化されません。

解決策は、顧客を段階別にセグメント分けして配信を変える。『未購入リード(A〜D)』『フロント購入済(M)』『コアオファー検討中(M〜A)』のように分けて、別配信を送ります。

パターン2:段階ジャンプ症候群。広告クリック直後の人にいきなり『今すぐ購入』を促すパターン。A段階の人にAction施策は早すぎる。99%の人が離脱します。

解決策は、必ず段階を順番に通過させる。『広告→LP(I)→無料プレゼント(D)→ステップメール(M)→オファー(A)』のような段階順動線。これでAction成約率が劇的に上がります。

パターン3:Memory放置症候群。メアド登録(D段階完了)した後、Memory形成施策をしないパターン。『欲しい』と思った人を放置すると、忘れられて永遠に購入されない。Memory段階の継続接触が、Action成約の鍵です。

解決策は、Memory段階用のステップメール・SNS配信を必ず設計。『獲得後1日・3日・7日・14日・30日』のリマインド配信で、記憶に定着させ続けます。

うちの事業で運用してわかった本音

ここまで構造の話を中心にしてきましたが、ここからは少しだけ本音の話をします。うちの事業でAIDMAを8年運用してきて、最初は段階無視で全員に同じ施策を打って失敗、何度も方針転換して、今のスタイルにたどり着いたんですよね。

1つ目の本音。「AIDMAは『現代版AISAS』とセットで使う」。これが一番大事です。AIDMAは1924年提唱で、Memory(記憶)段階が現代のSNS時代と合わない。現代向けはAISAS(Attention→Interest→Search→Action→Share)。両方を併用するのが最強です。

2つ目の本音。「最大のボトルネックはInterest→Desireの転換」。意外と知られていません。関心は持ったが欲求にならない人が大量に存在。ここを突破するのは『お客様の声・実績・具体例』の質。これが弱いとファネル全体が止まります。

3つ目の本音。「Memory段階が最も軽視される」。多くの事業がAttention・Interestには予算をかけるが、Memoryには何もしない。『獲得後の記憶定着施策』が、実は最も投資対効果が高い。Memoryに投資する事業が、長期で勝ちます。

4つ目の本音。「AIDMAは『1人の顧客の旅』、ファネルは『全体集計』」。AIDMAは1人の心理段階を見るモデル、ファネル分析は全体の通過率を見る指標。両者は補完関係。AIDMA(心理)とファネル(数値)を併用するのが本物の運用です。

最後にもう1つ。「AIDMAは『施策設計の出発点』であって、終着点ではない」。AIDMAで段階別施策を決めた後、CVR改善・ABテスト・コンテンツ改善などの実行に進む。『AIDMAだけで完結する』のではなく、AIDMAから具体施策に降ろすのが正しい使い方です。

今日から使える設計ステップ5つ

では、実際にAIDMA運用を組み立てるとき、何から手をつければいいか。今日からそのまま使える5ステップに整理しました。

STEP1
5段階×5施策の対応表を作る

A・I・D・M・Aの5段階に対応する施策を1つずつ割り当てる対応表を作成。施策ゼロの段階がないか確認、あればそこに新規施策を追加します。

STEP2
顧客の現在地を判定する仕組み

顧客の行動ログから今どの段階かを判定。CRM・MAツールで自動判定が理想。スプレッドシートでも『広告クリック=A、メアド登録=D』のように手動分類できます。

STEP3
段階別の配信を分ける

段階ごとに最適化された配信を実施。A段階には認知獲得広告、I段階にはブログ深掘り、D段階にはお客様の声、M段階にはリマインドメルマガ、A段階にはオファーCTA。

STEP4
段階移行率を月次計測

A→I、I→D、D→M、M→Aの転換率を月次レポート。最も低い段階がボトルネック、改善優先対象です。

STEP5
ボトルネック段階を改修

最も転換率の低い段階の施策を改修。1段階ずつ、月1〜2件のペースで改善。これで全体のファネル成果が向上していきます。

設計の正解は逆算

5ステップを並べて気づいた方もいるかもしれません。AIDMA運用の設計は、「顧客の現在地から逆算」するのが正解です。全員に同じ施策を打つと、ほぼ間違いなく崩壊します。

多くの人がやってしまう間違いがこれです。「全顧客に同じメルマガを送る」と一律で施策を打つ。すると、Attention段階の人にも、Memory段階の人にも、同じ内容が届く。誰にも最適化されず成果が出ない、というあるあるパターンに突入します。

正解は逆。『顧客の現在地』を判定してから、その段階に最適な施策を切り替える。5段階×5施策の対応表を作り、月次で転換率を計測、ボトルネック改修。これが正しい順序です。

AIDMAは「暗記する5段階モデル」ではなく「段階別施策切り替えの地図」。これを覚えておくだけで、運用判断が劇的に変わります。

よくある質問(FAQ)

AIDMAとAISASの違いは?

AIDMAは1924年提唱の古典、Memory(記憶)段階あり。AISASは2004年提唱のネット時代版、Search(検索)・Share(共有)段階あり。商品ジャンルによって使い分けるのが正解です。

AIDMAは古い?

枠組みは古典ですが、考え方は今でも有効。高関与商品(高額商品・耐久消費財)はAIDMAが向いてる、低関与商品(日用品)やSNS文脈はAISASが向いてる、と使い分けます。

段階を飛ばしてはいけない?

原則飛ばせません。『AからAへの直行』は99%失敗。各段階を順に通過させる施策設計が必須。例外は『緊急購入(薬・修理)』のような時間がない購買のみです。

AIDMA運用でMAツールは必要?

必須ではないが、規模が大きくなると必須。小規模事業はMyASP・エルメの分岐機能で十分、月商500万超ならHubSpot等のMAツール導入を検討。『段階別配信を手動でやれるか』が判断基準です。

まとめ

この記事の結論
  • AIDMAの正体は「5段階モデル」ではなく「段階別施策切り替えの地図」
  • 設計の正解は顧客の現在地から逆算すること
  • 各段階で施策が完全に違うことを認識する
  • 機能しないAIDMAの3パターン(段階無視・段階ジャンプ・Memory放置)を避ける
  • Memory段階こそ最も投資対効果が高い

長くなりましたが、AIDMAの正体と設計の正解を、構造の核心まで深掘りしてきました。

もう一度だけ整理します。AIDMAは5段階モデルではなく、段階別施策切り替えの地図。設計の正解は、全員に同じ施策を打つのではなく、顧客の現在地を判定してから段階に最適な施策を切り替えること。5段階×5施策の対応表、月次転換率計測、ボトルネック改修。Memory段階の投資が最も効きます。

たぶん、ここまで読んでくださった方は、もう自分の事業のAIDMA運用の「どこから直せばいいか」が見えているはずです。あとは5段階×5施策の対応表作成から始めてください。AIDMAは暗記する知識よりも、段階別施策の地道な切り替えの積み重ねです。地味な作業を続けられる人だけが、半年後に『顧客の心理に沿った事業』を手に入れます。

ではでは、また次の記事で。

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この記事を書いた人

株式会社Cameen代表 西村温裕(Haruhiro)。2019年からコンテンツビジネスを8年運営。