『Make(旧Integromat)』という言葉は、マーケティングやコンテンツビジネスの現場で頻繁に使われます。しかし、その正確な意味や設計の要点まで理解されているケースは多くありません。
株式会社Cameenです。本記事は当社の運用知見をもとに解説します。
- Makeとは「Zapierの代替」ではなく「複雑な分岐・ループ・データ加工が必要な業務を視覚的に組めるエンタープライズ向け自動化基盤」のこと
- 本質はノーコードではなく、業務プロセスを工場ラインのように設計する思考
- Make運用5要件と、運用設計の判断軸
- Make運用で詰まる典型3パターン
- 目的整理から監視まで、Make実装の5ステップ
では、ノーコード自動化という言葉が一般化して、ZapierやMake、n8n、Power Automate、こういうツールの名前を聞く機会が一気に増えたのです。SNSを開けば「業務を自動化して時短」「ノーコードで月数十時間の削減」、こういう発信が流れてきます。
でも、いざ「Makeって何ができるツールですか?」「Zapierと何が違うんですか?」と聞かれると、答えに詰まる方が多いのです。なんとなく「自動化のツールでしょ?」というイメージで止まっている。こうした課題は、多くの事業者に共通します。
当社ではMakeを2年以上運用していて、メルマガ配信・LINE連携・LARK文字起こし→議事録化・SNS投稿・通話録音アーカイブ、こういう業務をMakeで日々自動で動かしています。クライアント案件でも「Zapierで限界が来た業務」をMakeに移植する相談を何度も受けてきました。その中で見えてきたのは、Makeは単なる「Zapierの代替」ではなく、「複雑な業務プロセスを視覚的に組み立てて運用するためのエンタープライズ向け基盤」だということ。シンプルなトリガー1個→アクション1個の世界ではなく、ルーター・フィルター・データストア・エラー処理が組み合わさる世界です。
もう1つ繰り返し観察したのは、「Makeを導入したけど運用設計を間違えて、結局Zapierに戻る」というケースです。Makeは表現力が高い分、設計を雑に始めると、半年後に誰も触れない巨大シナリオが残ります。Makeで成果を出すかどうかは、ツール選定ではなく運用設計の質で決まります。
今回はその「今さら聞けないMake(旧Integromat)」を、ツール紹介ではなく、運用設計の核心と、当社で2年回してわかった本音まで深掘りしていきます。読み終わる頃には、自分の業務をMakeで自動化すべきか、どこから着手すべきかが、紙に書き出せるレベルになっているはずです。
結論:Makeの核心は「Zapierの代替」ではなく「複雑分岐対応の自動化基盤」
Makeは、よく「Zapierの代替」「ノーコード自動化ツール」と説明されるんですが、これだとMakeの本質が見えません。本当の意味はもっと別のところにあります。
Makeの本当の正体は、「複雑な分岐・ループ・データ加工が必要な業務を視覚的に組めるエンタープライズ向け自動化基盤」のことです。単なるトリガー&アクションの繋ぎこみではなく、業務プロセス全体を1枚のキャンバスに描いて運用する基盤、という性格を持ちます。
業界の体感として、Zapierが「A→Bの直線的なつなぎ込み」を得意とするのに対して、Makeは「A→分岐→B/C/D→集約→E」のような複雑構造を視覚的に組めるのが強みです。シナリオ1本で数十モジュールを繋いだ業務フローも珍しくないのです。
Makeの料金体系も特殊で、Zapierが「タスク数(=実行アクション数)」課金なのに対して、Makeは「オペレーション数(=モジュール実行回数)」課金です。これ、複雑なシナリオを組むほどコストが膨らむ構造になっていて、設計力がそのままコストに直結するのです。
当社でMake運用してわかったんですが、Makeの真の価値は「自動化できるアクション数」ではなく、「自動化した業務を継続的に運用・改善できる視覚化レイヤー」です。半年後に過去の自分のシナリオを開いたとき、何をしているかが図解1枚で理解できる、これがMakeの本質的な強みです。
なぜ「Make(旧Integromat)」という名前なのか
もう少し深く掘ります。なぜこのツールは「Make」と呼ばれているのか。命名の歴史的背景を整理します。
Makeはもともと、2012年にチェコのプラハで「Integromat」という名前で誕生したサービスです。「Integration(統合) + Automat(自動化)」の合成語で、当初から「複数SaaSを統合して自動化する」というコンセプトでスタートしました。Zapierが2011年創業なので、ほぼ同時期に立ち上がったサービスです。
転機が訪れたのは2022年。ドイツのプロセスマイニング企業Celonisがintegromatを買収して、ブランドを「Make」にリブランドしたのです。Celonisは業務プロセス可視化のグローバルリーダーで、Makeは「Celonisの自動化実行レイヤー」として位置づけが進化しました。単なる自動化ツールから、業務プロセス基盤の一部に格上げされた、という見方ができます。
「Make」という名前は、Integromatより短く、グローバル展開に適した命名です。「Make = 作る」のシンプルさが、「業務フローを自分の手で作る」というツールの思想と一致しています。シンプルな名前の裏に、Celonisが描く「業務自動化の民主化」という大きな戦略が隠れているのです。
業界の体感として、Make/Integromatは欧州を中心にエンタープライズ顧客に強く、Zapierが米国の中小企業に強い、という棲み分けが見えるのです。日本でもMake導入が加速していて、特に「複雑な業務フローを抱える中堅企業」「複数SaaS連携が必要なSaaSベンダー」「マーケティング部門での運用」、こういう領域でMakeが選ばれています。
近年は、AI機能の統合も急速に進んでいるのです。OpenAI・Anthropic・Cohereなど主要LLMモジュールが標準で組み込まれていて、「業務自動化 + LLM処理」のシナリオが組みやすくなっています。これ、エンタープライズ自動化の次世代スタンダードを取りに来ている動きのではないでしょうか。
ツールの進化として、Makeは月額数千円のスタータープランから、エンタープライズ向けの年額数百万円プランまで、価格レンジが広いのです。中小ベンチャーから大企業まで対応できる柔軟性が、長期で運用基盤として選ばれる理由になっています。
Make運用の現場で何が起きているか
Make運用の現場で、具体的に何が起きているか。5段階で整理します。
ステージ1:シナリオ設計(全体フローの設計)
担当者がまず行うのが、自動化したい業務の全体フロー設計です。誰が・どこから・どんなデータが入り・どう加工して・どこへ出力するか、これを1枚の絵に描きます。いきなりMakeのキャンバス画面を開くと迷うので、紙やNotion・Miroで先に下書きするのが定石です。
当社でも、新規シナリオを組むときは必ず「業務フロー図」を先に書いてから、Makeに落とし込むのです。これ、後から見返したときに保守できる状態を作る上で決定的に重要です。設計図なしで作ったシナリオは、半年後に開いても誰も触れません。
ステージ2:モジュール接続(トリガーとアクションの配置)
設計図ができたら、Makeのキャンバスにモジュールを配置します。トリガー(きっかけ)モジュールが1つ、その後にアクションモジュールを順番につなげる、これが基本構造です。Make公式の対応サービスは1,500を超えていて、主要SaaSはほぼカバーされているのです。
各モジュールは前のモジュールが返したデータを参照できるので、「LARKで通話が終わったら、文字起こしを取得し、ChatGPTで議事録化し、Google Docsに保存し、Slackに通知する」、こういう連続処理が直感的に組めるのです。
ステージ3:ルーターとフィルターの設定
シンプルな直列処理を超えて、分岐や条件処理が必要になったら、ルーター(分岐)とフィルター(条件)モジュールを使います。「処理対象がAなら経路1へ、Bなら経路2へ、それ以外なら経路3へ」、こういう分岐がMakeの強みです。Zapierではこの分岐表現が弱いのです。
当社では、メルマガ配信フローで「ポイント3,000以上のセグメントは配信A、2,999以下は配信B」というルーター分岐を組んでいるのです。これ、フィルター条件1個追加するだけで挙動が変わるので、保守性が高いのです。
ステージ4:テスト実行(部分実行と全実行)
シナリオが組み上がったら、テスト実行です。Makeは「Run once(1回だけ実行)」機能があって、各モジュールの入力・出力データを目視確認できるのです。これ、本番運用前のデバッグで決定的に重要な機能です。
テスト時に確認するのは、(1)各モジュールが期待通りのデータを返しているか、(2)ルーター分岐が正しく動いているか、(3)エラー時の挙動、この3点です。当社ではテスト工数を全体の3割程度確保するようにしているのです。これ、後の運用トラブルを激減させるための投資です。
ステージ5:本番運用と監視
テストが通ったら、シナリオを「ON」にして本番運用開始です。Makeは「実行履歴(History)」機能で、過去のシナリオ実行ログを保存してくれるのです。エラー発生時にメール通知する設定もできて、運用フェーズでの監視がやりやすい構造になっています。
本番運用で起きやすいのは、「外部API変更でモジュールが動かなくなる」「データ量増加でオペレーション数オーバー」「想定外のデータ形式でエラー発生」、この3つです。当社では月1回、全シナリオの実行履歴を見直す運用ルーティンを組んでいるのです。これ、業務自動化の継続運用で決定的に重要な習慣です。
身近な話で全体像をつかむ
ちょっと身近な話で、全体像を掴み直しましょう。
工場のベルトコンベアに置き換えてみます。あなたが食品工場のラインを設計しているところを想像してください。原材料が入ってきて、洗浄され、カットされ、味付けされ、検品され、パック詰めされて出荷される、こういう一連の工程です。
これ、まんまMakeです。Makeのモジュール1つ1つが、工場ラインの各工程に対応します。原材料投入=トリガー、洗浄機=モジュール1、カット機=モジュール2、味付け機=モジュール3、検品=エラー処理、パック詰め=最終アクション、こういう対応関係です。
工場ラインで分岐が必要な場面、あります。例えば「サイズLは経路A、サイズMは経路B、サイズSは経路C」みたいな選別工程。これがMakeのルーター機能に対応します。検品で不良品を弾く工程、これがフィルター機能。途中で原材料を一時保管する倉庫、これがデータストア機能。すべて工場ラインの構成要素に対応するのです。
これ、〜のではないでしょうか。工場ラインを設計するとき、いきなり機械を並べ始める人はいないです。先に全体フロー図を書いて、各工程の入力・出力を整理してから機械配置を決めます。Makeも同じで、シナリオ設計図を書いてから、モジュールをキャンバスに置く順番が定石です。
工場ラインで決定的に重要なのが「検品工程」と「不良品対応」です。検品なしで全部を出荷すると、不良品が客先に届いてクレームになる。Makeも同じで、エラー処理を設計しないシナリオは、業務にダメージを与え続けます。これ、自動化を始めたばかりの人が一番見落とすポイントです。
もう1つ、工場ラインで重要なのが「ライン稼働率の監視」です。1日何個処理したか、エラーは何件出たか、ボトルネック工程はどこか、これを毎日見てラインを改善します。Makeでも同じで、月1回の実行履歴レビューが、業務自動化を継続改善する装置として機能するのです。
業界の体感として、Make導入企業で成功しているところは、ほぼ例外なく「業務フロー設計の文化」を持っているのです。逆に、いきなりMakeを買って組み始める企業は、半年後に運用が止まる確率が高い。これ、ツールの問題じゃなくて、業務プロセス可視化の習慣の問題です。
Make運用5要件と、それぞれの中身
Make運用は、5つの要件を順番に押さえることで安定します。業界の人なら王道、初心者ほど飛ばしがちです。要件1から順番に固めていきます。
Makeは1,500を超える対応サービスがあるのです。これ、選択肢が多すぎて初心者は迷うのです。当社では「業務で実際に使っているSaaS」だけリストアップして、対応モジュールが揃っているか先に確認するようにしています。モジュールが揃っていない場合は、Webhookモジュールでカスタム連携を組む選択肢もあります。
Makeの最大の強みがルーター機能です。1つの入力データを条件で分岐して、複数の経路で並列処理できる構造です。当社では「メルマガ配信のセグメント分岐」「LARK通話の長さによる議事録テンプレ切替」、こういう分岐をルーターで組んでいます。Zapierでは表現しにくい複雑分岐がMakeの真骨頂です。
これ、初心者が一番飛ばすポイントです。Makeにはエラーハンドラというモジュールがあって、シナリオ実行中にエラーが起きたときの挙動を設定できるのです。リトライ・ロールバック・通知・代替経路、こういう選択肢があります。当社では全シナリオで必ずエラーハンドラを設定する運用ルールにしているのです。
Makeにはデータストアという内蔵DBがあって、シナリオ間でデータを共有できるのです。例えば「過去に処理したファイル名のリスト」をデータストアに保管して、重複処理を防ぐ、こういう使い方です。当社ではLARK通話ファイルの重複アーカイブ防止に活用しているのです。外部DBを立てる必要がないので、運用負担が圧倒的に軽いのです。
Makeの料金体系はオペレーション数課金なので、月のオペレーション上限を監視する必要があるのです。これ、見落とすと月末にシナリオが止まる事故が起きます。当社では月初・月中・月末の3回、Make管理画面でオペレーション残量を確認する運用にしています。シナリオごとのオペレーション消費量も見えるので、コスト最適化の判断材料になるのです。
5要件すべてを満たすと、Make運用が驚くほど安定するのです。逆に、要件1だけで突っ走ると、後で必ず破綻します。順番が決定的に重要です。
Make運用で詰まる典型3パターン
当社でMake運用してきた中で、典型的に詰まるパターンが3つに集約されるのです。順番に整理します。
もっとも多い失敗です。1つのシナリオに50モジュール以上詰め込んで、ルーター分岐が10本以上ある、こういう状態です。組んだ本人は理解できるんですが、3ヶ月後に他の人が見ても全く意味がわからない。これ、Makeで一番起きやすい罠です。
本来は、シナリオ1本につき20モジュール以内、ルーター分岐は3本以内、これを目安にします。複雑な業務は「サブシナリオ」機能で分割するのが定石です。当社では「親シナリオは概要、子シナリオで詳細処理」という階層構造で運用しているのです。
初心者がほぼ確実に通る失敗パターンです。「正常系だけ組んで、エラー処理は後回し」と進めると、本番運用で1ヶ月もせず詰まります。外部API変更、データ形式変動、ネットワーク障害、いろんな理由でシナリオは失敗するのです。
本来は、シナリオ設計の初期段階で「失敗したらどうするか」を必ず決めます。リトライするか、通知だけするか、代替経路に流すか、3つの方針を必ずどれか選んでおきます。当社では全シナリオでエラーハンドラ必須のルールにしているのです。
これも頻発する失敗パターンです。Makeのプラン上限オペレーション数を超えると、月末にシナリオが全部止まります。気付いたら業務が完全停止していた、というケースが本当に多いのです。
本来は、月のオペレーション消費量を継続監視します。シナリオごとの消費量を見て、ループ処理を効率化したり、不要なモジュールを削除したり、最適化を継続します。当社では月初・月中・月末で残量チェック、シナリオごとの消費を月1回見直し、こういう運用ルーティンを組んでいます。
当社でMake運用してわかった本音
当社で2年以上Make運用してきて、見えてきた本音をお伝えします。
本音1:Makeは「自動化」より「業務可視化」の価値が大きい
当社でMake運用してわかったのは、Makeの本当の価値は「自動化」ではなく「業務可視化」だということです。シナリオを1枚のキャンバスに描くと、その業務が何をしているかが一目でわかる状態になるのです。これ、業務プロセスを継承するときに圧倒的な威力を発揮します。
当社では新しいメンバーに業務を引き継ぐとき、Makeのシナリオ画面を見せて説明するのです。「この業務はこのフローで動いている」とキャンバスを指差すだけで、5分で全体像が伝わります。手順書ベタ書きだと1時間かかる説明が、Makeなら5分で終わる。これ、〜のではないでしょうか。
本音2:Zapierと併用するのが現実的
意外と語られない本音ですが、当社ではMakeとZapierを併用しているのです。シンプルなA→Bの直線処理はZapier、複雑な分岐・ループ・データ加工はMake、こういう棲み分けです。「Makeに統一すべき」と思いがちですが、現実はそうじゃないのです。
Zapierはシンプル処理での実装速度が圧倒的に速いのです。5分で組める処理にMakeを使うのはオーバースペック。逆に、Makeのルーター・データストア・エラーハンドラが必要な処理にZapierを使うと、無理やり感が出ます。ツールを「使い分ける」発想が、自動化運用で決定打になるのです。
本音3:Make導入の最大の壁は「業務フロー設計力」
これ、当社でクライアント案件のMake導入支援をしていてわかった本音ですが、Make導入で詰まる最大の原因は、ツールの使い方ではなく「業務フロー設計力」です。Makeの画面操作は1週間で覚えられます。でも、業務を抽象化してフロー図に落とす力は、それ以上に時間がかかります。
具体的に、業務フロー設計力を構成する要素は5つあるのです。(1)業務の入力・出力を言語化できる、(2)条件分岐を網羅的に洗い出せる、(3)例外パターンを想定できる、(4)処理の順序依存を理解している、(5)エラー時の挙動を先に決められる。この5要素が揃うほど、Makeで設計したシナリオが安定するのです。1つでも欠けると、運用フェーズで必ず詰まります。
当社で新人にMakeを教えるとき、ツールの操作より「業務フロー図を描く練習」を先にやらせるのです。紙とペンで5枚くらいフロー図を書いてから、初めてMakeのキャンバスを開かせます。これで運用フェーズでの詰まり率が3分の1以下に下がりました。ツール選定より人材育成、これがMake運用の隠れた本質です。
もう一つ、現場で見えてきた本音として、「Make運用の継続性は、月1回の見直し習慣で決まる」というのがあるのです。シナリオは作って終わりじゃない。外部APIの変更、業務要件の変化、データ量の増加、こういう変動要因に継続対応する習慣が、Make運用を1年・2年と続けるための土台です。これ、ツール選定以上に重要な観点だと感じています。
今日から使えるMake実装5ステップ
ここまで読んでくださった方、お疲れさまです。Make実装の5ステップを置いておきます。
最初にやるのが、自動化したい業務を1行で書くこと。「LARKの通話が終わったら、文字起こしを取得し、ChatGPTで議事録化して、Google Docsに保存する」、こんな感じで言語化します。曖昧な目的のままシナリオを組むと、必ず途中で迷子になるのです。
目的が固まったら、紙やMiroでフロー図を描きます。入力・処理・出力・分岐・エラー時の挙動、これを全部書き出すのです。この段階でMakeのキャンバスは開きません。先に設計図を完成させるのが定石です。
設計図ができたら、Makeで最小構成のPoCを組みます。トリガー1個 + アクション2〜3個、これだけで動かしてみるのです。いきなりフル機能を組まず、小さく動かして感触を確かめるのが業界の標準アプローチです。
PoCが動いたら、本番運用に向けて拡張します。ルーターで分岐を追加、フィルターで条件処理、エラーハンドラで失敗時の挙動、すべて設計図通りに組んでいきます。テスト実行を繰り返して、各分岐・各エラーパターンが想定通り動くか確認します。
本番ONにしたら、月1回の実行履歴レビュー習慣を組み込みます。エラー件数・成功率・オペレーション消費・実行時間、これを毎月チェックしてシナリオを改善します。シンプルですが、これでMake運用の継続性が圧倒的に上がります。
シンプルですが、機能するMake運用の骨格が完成します。これ、〜のではないでしょうか。
- Zapier
- 米国の自動化ツール。Makeより歴史が長く、シンプルなA→B連携が得意。直線処理に最適。
- n8n
- オープンソースの自動化ツール。セルフホスト可能で、データプライバシー要件が厳しい組織に好まれる。
- Power Automate
- マイクロソフトの自動化ツール。Microsoft 365連携が強く、エンタープライズで採用が進む。
- Webhook
- 外部サービスからのイベント通知を受け取る仕組み。Makeの汎用トリガーとして頻用される。
- オペレーション
- Makeの料金単位。1モジュール実行=1オペレーション。月のオペレーション数でプラン階層が決まる。
よくある質問(FAQ)
- MakeとZapierの違いは?
-
Zapierは直線的なA→B連携が得意で、実装速度が速いのです。Makeは複雑な分岐・ループ・データ加工が得意で、視覚的にフロー全体を組めるのです。シンプル処理はZapier、複雑処理はMake、こういう棲み分けが業界の標準です。料金体系もZapierがタスク数課金、Makeがオペレーション数課金で異なります。
- Makeとn8nの違いは?
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n8nはオープンソースでセルフホストできるのです。データを自社サーバー内で完結させたい組織に強い選択肢です。Makeはクラウド型で、運用負担が圧倒的に軽い。データプライバシー要件が厳しいならn8n、運用工数を最小化したいならMake、こういう判断軸です。
- MakeとPower Automateの違いは?
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Power Automateはマイクロソフト製で、Microsoft 365との連携が圧倒的に強いのです。Excel・Teams・SharePointとの連携が中心の組織には最適です。MakeはSaaS全般への対応幅が広く、Microsoft以外のサービスとの連携が必要な現場で選ばれます。エコシステム依存で選ぶのが定石です。
- Makeの料金プランの選び方は?
-
業界の標準は、(1)月のオペレーション予測数、(2)必要シナリオ数、(3)実行間隔の3点で判断します。月10,000オペレーション未満の小規模運用はCore($10/月)、月10,000〜100,000の中規模はPro($16/月)、それ以上はTeams以上、こういう目安です。最初はCoreで始めて、消費量を見ながらアップグレードするのが安全策です。
- 主要ノーコード自動化ツールの比較は?
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業界で語られる目安は以下です。
ツール 強み 料金体系 Make 複雑分岐・視覚化 オペレーション数課金 Zapier シンプル直線処理 タスク数課金 n8n セルフホスト・OSS 無料(セルフホスト時) Power Automate Microsoft連携 ユーザー数課金 業務性質と組織エコシステムに応じて使い分けます。
まとめ
では、結局Makeとは、こういうことです。
- Makeの核心は「Zapierの代替」ではなく「複雑分岐対応のエンタープライズ向け自動化基盤」
- 本質は自動化ではなく、業務プロセスを視覚化して継続改善する装置
- 5要件(モジュール理解/ルーター/エラー処理/データストア/実行回数監視)を順番に押さえる
ツールを買うことが目的なのではなく、業務プロセスを可視化して回し続けること。これがMake運用の本来の役割です。検討しているなら、業務フロー図を1枚描くところから始めてみてください。
