『Mailchimp』って、名前は聞くけど、何ができるツールか、ちゃんと説明できますか?
株式会社Cameen 西村温裕ことおんゆーです。
- Mailchimpとは「メール配信ツール」ではなく「初心者でも使える総合マーケティング基盤+ブランドマスコットで親しみやすさを武器にしたサービス」のこと
- 本質はメール配信機能ではなく、初心者がマーケを始める入口設計
- Mailchimpを使う4タイプの活用パターンと、自分に合う使い方
- Mailchimpで機能しない典型3パターン
- 無料登録から自動化導入までの実装5ステップ
マーケティングを始めようと思った時、最初に名前を聞くツールの一つが『Mailchimp』ですよね。海外のWeb記事を読んでいても出てくる、SaaSスタートアップの事例でも出てくる、こういう露出の多さでなんとなく覚えている方が多いんです。
で、いざ「Mailchimpって何ができるの?」「日本のMyASPやLステップと何が違うの?」「ActiveCampaignとどっちがいい?」と聞かれると、答えに詰まる方が多いんですよね。「メール配信ツールでしょ?」という認識で止まって、Mailchimpの本質的な役割まで理解している人は意外と少ない。これ、自分だけだと思ってませんか?
うちの事業ではMyASPをメイン運用していますが、クライアント案件でMailchimp導入の相談を何度も受けてきましたし、海外SaaSのマーケ事例として業界観察してきました。その中で見えてきたのは、Mailchimpは単なる「メール配信ツール」ではなく、「マーケ初心者でも今日から使える総合マーケティング基盤」だということ。配信機能だけ見ると他ツールに見劣りしますが、初心者の入口としての完成度は世界トップクラスです。
もう1つ繰り返し観察したのは、「Mailchimpを高度な自動化ツールと誤解して導入し、機能不足で乗り換える企業」が多いという事実。Mailchimpの強みは初心者向けの分かりやすさで、高度な自動化を求めるならActiveCampaignやHubSpotに乗り換える必要があります。導入前のツール選定が決定的に重要なんです。
今回はその「今さら聞けないMailchimp」を、業界一般の知見から、サービス構造と4タイプの活用パターン、機能しない典型3パターンまで深掘りしていきます。読み終わる頃には、自分のビジネスがMailchimpに向いているか、別のツールが向いているかが、紙に書き出せるレベルになっているはずです。
結論:Mailchimpの核心は「メール配信」ではなく「初心者向け総合マーケ基盤」
Mailchimpは、よく「海外のメール配信ツール」と説明されるんですが、これだとMailchimpの本質が見えません。本当の意味はもっと別のところにあります。
Mailchimpの本当の正体は、「マーケティング初心者でも直感的に使える総合マーケ基盤+チンパンジー(Freddie)というブランドマスコットで親しみやすさを武器にした、世界最大級のSMB向けマーケサービス」のことです。単なるメール配信ツールではなく、ランディングページ・フォーム・広告連携・CRM・分析、すべてを統合した「マーケ入門パッケージ」なんですよね。
業界の体感として、Mailchimpの登録ユーザーは世界で1,300万社超(2024年時点)、米国を中心に欧州・アジアにも広く普及しています。日本ではMyASPやLステップが主流ですが、海外進出を視野に入れている日本企業や、英語圏の顧客にメール配信したい企業にとって、Mailchimpは事実上の標準ツールなんです。
Mailchimpの設計思想は「マーケ初心者が10分で最初のキャンペーンを送れる」こと。ドラッグ&ドロップのメールエディタ、テンプレート豊富なランディングページビルダー、こういう機能で、デザイナー・エンジニア不在のスモールビジネスでもプロ品質のメールが作れます。これ、他のツールと比べて圧倒的に親しみやすいんですよね。
Mailchimpの真の価値は機能ではなく、「Freddieというチンパンジーマスコット+カジュアルなブランドトーン」で生まれる親近感です。マーケツールというと堅い印象になりがちですが、Mailchimpは「使うのが楽しい」感覚を作ることで、初心者の心理障壁を下げています。これ、Mailchimpが10年以上トップシェアを維持できている隠れた理由なんです。
なぜ「Mailchimp(メールチンプ)」と名付けられたのか
もう少し深く掘ります。なぜこのサービスは「Mailchimp(メール+チンパンジー)」という、一見ふざけた名前を選んだのか。命名の背景を整理します。
Mailchimpは2001年に、米国アトランタでBen ChestnutとDan Kurziusが設立しました。元々はWebデザイン会社の副業として始まったプロジェクトで、メイン事業のクライアントから「メール配信したい」要望が頻発したのを受けて、自社サービス化したのが起点です。創業当時は数人規模の小さなSaaSでした。
「Mailchimp」という名前は、Mail(メール)+chimp(チンパンジーの略)の組み合わせ。創業者の一人が好きだったのが理由とも言われています。マスコットキャラクターは「Freddie」というチンパンジーで、サイトのあちこちに登場し、ユーザーに親しみを与える存在になっています。これ、SaaSとして異色のブランディングなんですよね。
業界の体感として、Mailchimpの成長は2010年代以降に加速しました。SaaSとサブスクリプションモデルが普及し、スモールビジネスが安価にマーケツールを使える時代になり、Mailchimpはその波に乗って急成長。2017年には年間売上6億ドル超(約900億円)、従業員1,000人超の大企業になりました。
2021年にMailchimpは、財務管理SaaS大手Intuit(QuickBooksの提供元)に120億ドル(約1.7兆円)で買収されました。これでMailchimpはIntuit傘下となり、QuickBooksとの統合機能やSMB向けエコシステムの一部に組み込まれていきます。買収後は値上げ続きで、業界では賛否両論が分かれる状態です。
近年は、AI機能の強化が進んでいます。AIライティング支援、最適配信時刻の予測、件名のA/Bテスト自動化、こういう機能が標準搭載されつつあります。ただ、AIの精度は他の専門ツール(Klaviyo・ActiveCampaign等)と比較すると標準レベルで、Mailchimpの本質は依然として「初心者向けの分かりやすさ」にあるんですよね。
業界の進化として、Mailchimpは「メール配信ツール」から「総合マーケ基盤」へとポジションを拡大してきました。ランディングページビルダー、ソーシャル広告連携、SMS配信、CRM機能、すべてを統合し、SMB向けマーケのワンストップ提供を目指す方向です。これ、競合のActiveCampaign・HubSpotとの差別化戦略でもあります。
Mailchimpの現場で起きている5ステップの流れ
Mailchimpを実際に使う現場で、具体的に何が起きているか。5段階で整理します。
ステージ1:アカウント作成と初期設定
Mailchimpのサイトでメールアドレス+パスワードを登録し、アカウント作成。初回ログイン時に、会社名・業種・想定する読者数・利用目的、これらのアンケートに答えます。Mailchimp側はこの情報を元に、最適なテンプレート・推奨機能を提示してきます。
無料プラン(Free)は500件までの連絡先、月1,000通までの配信が可能。これ、以前は2,000件まで無料でしたが、2022年以降に大幅縮小されました。本格運用するなら、Essentialsプラン(月13ドル〜)以上が必須になるんですよね。
ステージ2:Audience(配信先リスト)の設計と取り込み
Mailchimpでは配信先を「Audience」と呼びます。CSVインポート、フォーム埋め込み、Shopify連携、こういう方法でリスト化していきます。Audienceは1アカウントあたり1つが推奨されており、複数Audience運用は上位プランで可能です。
Audience内で「Tag(タグ)」や「Segment(セグメント)」を使い、購入履歴・登録経路・属性で読者を分類します。日本のMyASPでいうシナリオ/ステップメール機能に近いですが、Mailchimpはタグベースの柔軟な設計が特徴です。これ、慣れると使いやすいんですよね。
ステージ3:キャンペーン作成とテンプレート選択
「Campaign(配信)」を作成。テンプレート選択→件名入力→本文編集→配信先指定、こういう流れで進みます。テンプレートは100種類以上あり、業種別(EC・ニュースレター・告知)に整理されています。デザイナー不在でもプロ品質のメールが作れる設計です。
本文編集はドラッグ&ドロップエディタ。テキストブロック・画像・ボタン・SNSリンク、こういう要素を直感的に配置できます。HTML編集モードもあり、こだわりたい人はコード直書きも可能。初心者から中級者まで幅広く対応する設計です。
ステージ4:配信実行とリアルタイム監視
配信日時を指定して送信。即時配信、予約配信、最適時刻配信(AI判定)、こういうオプションがあります。配信規模が大きい場合、徐々に送信する「Batch delivery」機能で受信側の負荷を抑えます。これ、地味に重要な機能なんです。
配信中は、リアルタイムで開封率・クリック率・配信解除率を追えます。配信完了後にレポートが自動生成され、ヒートマップでクリック箇所も可視化されます。これ、日本の配信ツールと比較しても遜色ない分析機能です。
ステージ5:自動化(Customer Journey)の構築
Mailchimpの自動化は「Customer Journey」と呼ばれます。フローチャート形式で、登録時のウェルカムメール、購入後のサンキューメール、放置リードの再エンゲージメント、こういうシナリオを組み立てます。日本のステップメールに近い機能です。
ただし、Customer Journeyの複雑度はActiveCampaignやHubSpotと比較すると劣ります。複数条件分岐、購入金額に基づく分岐、複雑なスコアリング、こういう高度な自動化はMailchimpの苦手領域です。基本的な自動化なら十分機能しますが、高度な要件があるなら他ツールを検討する必要があります。
身近な話で全体像をつかむ
ちょっと身近な話で、全体像を掴み直しましょう。
Mailchimpを「カメラ」に例えてみます。あなたが写真を始めようとしている、と仮定します。スマホで撮るのに飽きてきて、本格的にカメラを買おうと思った時、最初に選択肢に上がるのが「入門用一眼レフカメラ」ですよね。Canonの「EOS Kiss」シリーズや、Sonyの「αシリーズ」エントリー機がこれに該当します。
入門用一眼レフの特徴は3つ。(1)操作が分かりやすい(オートモードあり)、(2)上級機能もある(マニュアル撮影もできる)、(3)価格は中庸(プロ機より安い、コンデジより高い)。これ、まんまMailchimpのポジションなんですよね。
Mailchimpは「マーケ初心者の入門用一眼レフ」です。操作が分かりやすく、テンプレート豊富で初日から使える。上級機能(自動化・分析・広告連携)もあるが、プロ機(HubSpot・Marketo)と比較すると物足りない。価格は中堅レベルで、無料プランから始められるが、本格運用には月額数千円〜数万円が必要です。
プロカメラマンは入門機を卒業して、上位機種(Canon EOS 5D、Sony α7Sなど)に移行しますよね。これ、Mailchimpユーザーがマーケ習熟するとActiveCampaign・HubSpotに移行するのと同じ構造です。Mailchimpはずっと使い続けるツールではなく、「マーケ習熟の最初の一歩」として位置づけるのが業界の正解なんです。
業界の例として、米国SMB(中小企業)の多くが、Mailchimpで最初のメルマガを始め、年商1,000万ドル超のスケールで他ツールに移行するパターンを描きます。日本でも、海外進出を意識する企業はMailchimpを通過点として導入し、本格運用フェーズで日本のMyASPやKlaviyo等に乗り換えるケースが増えています。
逆に、Mailchimpを「永遠の本拠地」と考えて運用し続けると、機能不足に苦しみます。高度な自動化、複雑なセグメント、深い分析、こういう要望が出てきた段階で、Mailchimpの設計思想とミスマッチが発生するんです。これ、ツール選定で初期に見落とされがちな落とし穴ですよね。
Mailchimp活用4タイプと使い分け
Mailchimpの活用は、大きく4つのタイプに分類されます。それぞれ得意領域・運用スタイル・最適プランが異なります。自分の事業性質と将来計画に最適なタイプを選ぶことが、Mailchimp活用成功の核心です。
タイプ1:個人ブロガー・クリエイター
ブログやSubstackで発信している個人クリエイターが、ニュースレター配信に使うタイプ。連絡先500件以下なら無料プランで始められ、初期投資ゼロでスタートできます。テンプレートが豊富で、デザイン知識ゼロでもプロ品質のメルマガが作れます。
このタイプにとってのMailchimpの最大の価値は「最初の一歩のハードルの低さ」です。日本のMyASP・エキスパで月3,000円以上のコストが発生する規模でも、Mailchimpなら無料で開始できる。これ、ブログ運営者がメルマガを「とりあえず始めてみる」入口として完璧なんですよね。
タイプ2:スモールビジネス(SMB)
従業員10〜50人規模のSMBが、顧客リレーション維持にMailchimpを使うタイプ。EssentialsプランやStandardプラン(月13〜20ドル)が標準で、月数千件〜数万件の配信を運用します。米国・欧州のSMBで最も多い使い方です。
このタイプの価値は「マーケ専任不在でも回せる設計」。営業や経営者が片手間で運用できる分かりやすさと、テンプレート量産化で、SMBが手が回らない領域を埋めます。日本企業の海外進出時にMailchimpを選ぶ理由も、ここにあります。海外顧客向けマーケを本職不在で回せるツール、というポジションです。
タイプ3:ECショップ(Shopify連携)
ShopifyやBigCommerce等のECショップが、購入後フォロー・カート放棄リカバリーにMailchimpを使うタイプ。EC特化機能(製品レコメンド・購入後シーケンス・カート放棄メール)が標準搭載で、即運用開始できます。
このタイプの注意点は、EC特化のKlaviyoとの比較です。EC運用に本気で取り組むなら、Klaviyoのほうが高度な分析・自動化が可能で、業界標準になっています。MailchimpはEC初心者の入口、Klaviyoは本格EC運用、こういう使い分けが業界の判断軸です。
タイプ4:マーケ代理店・コンサル
マーケ代理店やフリーランスコンサルが、クライアント向けに複数のMailchimpアカウントを運用するタイプ。Mailchimpはマルチアカウント管理機能があり、代理店モードでクライアント案件を一元管理できます。米国のマーケ代理店で多い使い方です。
このタイプの価値は「クライアントへの引き継ぎやすさ」。Mailchimpはツール解説が豊富で、クライアント側に運用を移管しても、自走できる文化があります。HubSpotやMarketoだとクライアント運用が困難になりがちですが、Mailchimpなら引き継ぎが現実的です。これ、代理店ビジネスとして重要な選定基準ですよね。
4タイプそれぞれの使い分けは、事業段階・必要機能・将来計画で決まります。「個人クリエイターは無料プランでお試し」「SMBはEssentials〜Standardで運用」「ECショップはKlaviyo検討も同時に」「代理店はマルチアカウント管理」、こういう判断軸で組み合わせるのが業界の標準です。
Mailchimpで機能しない典型3パターン
業界の事例観察で見えてくる、Mailchimp活用失敗の典型パターンはこの3つに集約されます。
Mailchimpの無料プランは2022年以前、連絡先2,000件まで使えました。これが2022年以降500件まで縮小され、リスト規模が500件を超えた段階で強制的にEssentials(月13ドル〜)プランへの移行を求められます。
この変更で、無料プランで運用していた個人クリエイター・スタートアップが「想定外の月額コスト発生」に直面し、運用継続が困難になるケースが頻発しました。本来は、初期からEssentialsプラン前提でコスト計算するか、500件超になる前にツール移行を検討するのが業界標準です。Intuit買収後の値上げ続きで、無料プランの魅力が大きく低下している現実があります。
Mailchimpを「全部できる総合ツール」と期待して導入し、複雑な自動化シナリオ(条件分岐多段・スコアリング・購入金額別フロー)を組もうとして、機能不足に直面するパターン。
本来、Mailchimpの自動化(Customer Journey)は基本的なフロー向けで、高度な要件はActiveCampaign・HubSpotに譲ります。ActiveCampaignは月15ドル〜で高度な自動化が可能、HubSpotは月45ドル〜でCRM統合とマーケ自動化を実現できます。導入前に必要な自動化のレベルを見極めて、ツール選定するのが業界の正解です。「とりあえずMailchimp」発想が一番危険なんですよね。
2021年にIntuitに買収されて以降、Mailchimpの料金プランが段階的に値上げされています。Essentialsプランは2022年以降複数回の値上げで、初期と比較すると30〜50%の上昇率になっています。
本来、Mailchimpは「安価なマーケツール」として認知されてきましたが、買収後はSMB向けプレミアム化路線に移行しつつあります。長期運用するなら、価格動向の継続監視と、必要なら他ツール(MailerLite・Brevo等)への移行検討が業界の標準的な対応です。価格だけで選ぶならMailerLite(月10ドル〜)のほうが現状では割安、機能で選ぶならActiveCampaignのほうが優秀、こういう比較検討が必須になります。
業界観察から見えてくる本音
うちの事業ではMyASPメイン運用ですが、業界観察してきた中で見えてきた、Mailchimpの本音をお伝えします。
本音1:Mailchimpは「マーケの最初の一歩」専用ツール
業界観察してきた中で共通して言える本音は「Mailchimpはマーケ初心者の最初の一歩」だということ。月額無料〜数千円で、世界基準のマーケ機能を体験できるツールは、実はMailchimp以外にあまりないんですよね。マーケを学ぶための「練習場」として最適です。
業界観察してきた成熟マーケターは、Mailchimpで基礎を学んだあと、事業性質に応じて他ツールへ移行していきます。日本市場ならMyASP・エキスパ・コンビーズメール、EC運用ならKlaviyo、高度な自動化ならActiveCampaign・HubSpot、こういう判断で次のツールを選びます。Mailchimpはずっと使うものではなく、「マーケ習熟の入口」と位置づけるのが正解です。
本音2:日本市場ではMyASPが圧倒的に強い、Mailchimpは限定的役割
業界観察してきた中で、日本市場でMailchimpを「主力ツール」として運用する企業は意外と少ないんです。日本企業の99%以上は、日本語サポート・日本円決済・日本の特商法対応、こういう実務面でMyASPやエキスパを選びます。これ、シンプルに合理的な選択ですよね。
Mailchimpが日本企業で使われる場面は限定的で、(1)海外進出時の英語圏顧客向け配信、(2)海外SaaSとの連携が必須な場合、(3)海外マーケ事例を参考に試してみる初期段階、こういうケースに集中します。日本人読者向けには、業界観察してきた限り、MyASPのほうが圧倒的に親和性が高いです。
本音3:Freddieマスコットの心理効果は侮れない
業界観察してきた中で、Mailchimpの隠れた成功要因は「Freddieというチンパンジーマスコット」にあると感じます。マーケツールはどうしても堅い印象になりがちで、初心者が「難しそう」と離脱する心理障壁が高いんです。これを「親しみやすさ」で打破したのがMailchimpの天才性なんですよね。
具体的に、Mailchimpの管理画面はカジュアルなコピーで構成されています。「High five!」「You’re doing great!」、こういう励ましの言葉がユーザー操作の節目に出てくる。これ、業務SaaSとして異色の設計で、ユーザーが「使い続けたい」と感じる心理的フックを作っています。
業界観察してきた他のSaaS(Slack・Notion・Linearなど)も、こういうカジュアルなブランディングを参考にしている節があります。マーケツール業界に「親しみやすさは武器になる」価値観を持ち込んだのは、Mailchimpの大きな貢献なんです。これ、日本のSaaS設計者にとっても学ぶ価値がある観点ですよね。
もう一つ重要なのが、Freddieマスコットがブランド資産として機能している点。Mailchimpを使ったことがある人は、Freddieのウィンクするロゴを見ただけで「あ、Mailchimpね」と認識します。これ、SaaSとしては異例の高いブランド想起力です。マスコット戦略の成功事例として、業界観察してきた中でも上位に入る存在なんです。
Mailchimp導入の実装5ステップ
ここまで読んでくださった方、お疲れさまです。Mailchimpを導入する場合の実装手順を、5ステップで置いておきます。
mailchimp.comでメールアドレス+パスワードを登録。初回ログイン時のアンケートで業種・想定読者数を入力。送信元情報(会社名・住所・連絡先)を設定。これ、米国法に基づくCAN-SPAM対応で必須項目です。
Audience(配信先リスト)を作成。既存の連絡先をCSVでインポートするか、フォームを作って自社サイトに埋め込み。タグ・セグメントの基本設計もこの段階で決めます。Audience設計は後から変更が大変なので、初期に整理するのが業界の正解です。
テンプレート選択→件名入力→本文編集→配信先指定→送信。最初は単純なお知らせメールで、Mailchimpの基本操作を習得します。送信後のレポートで開封率・クリック率を確認し、改善点を整理します。
登録時のウェルカムメール、購入後のサンキューメール、こういう基本的な自動化を組み立てます。Customer Journeyのフローチャートで条件分岐を設計し、テスト配信で動作確認します。基本シナリオから始めて、徐々に複雑化するのが業界の標準です。
月次でレポートを確認し、開封率・クリック率・配信解除率を改善していきます。リスト規模が500件→2,000件→1万件と拡大したら、Mailchimpの料金プランと機能制限を再評価。必要なら他ツールへの移行を検討する判断ポイントです。
Mailchimp導入は、この5ステップで始まります。最初の一歩を踏み出すハードルが圧倒的に低く、初日からマーケを体験できる設計です。シンプルですが機能するMailchimp活用の骨格が完成します。
- ActiveCampaign
- 米国発の高度なマーケ自動化ツール。Mailchimpより複雑な自動化が可能で、月15ドル〜。中級者以上に人気。
- Klaviyo
- EC特化のマーケツール。Shopify連携が強力で、米国EC事業者の業界標準。月20ドル〜。
- ConvertKit
- クリエイター・ブロガー向けに設計されたマーケツール。シンプルなUI、月15ドル〜。MailchimpとSubstackの中間的位置。
- MyASP(マイスピー)
- 日本国産のメルマガ・ステップメール配信ツール。日本語サポート・特商法対応が強み。日本市場では業界標準。
- Customer Journey
- Mailchimpの自動化機能の名称。フローチャート形式でメール配信シナリオを設計する機能。
よくある質問(FAQ)
- MailchimpとActiveCampaignの違いは?
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業界の体感では、Mailchimpは初心者向けの分かりやすさが強み、ActiveCampaignは高度な自動化機能が強みです。Mailchimpは月13ドル〜、ActiveCampaignは月15ドル〜で価格は近いですが、ActiveCampaignのほうが複雑な条件分岐・スコアリング・CRM連携が可能。マーケ習熟度に応じて使い分けるのが業界標準です。
- MailchimpとKlaviyoはどちらがEC向きですか?
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業界の体感では、本格的なEC運用はKlaviyoのほうが向いています。Klaviyoは「Shopify特化」で設計されており、購入履歴に基づく高度なセグメント、カート放棄リカバリーの精緻な自動化、製品レコメンドのAI機能、こういうEC専門機能が充実しています。Mailchimpは「マーケ全般」をカバーする総合型なので、EC専門機能ではKlaviyoに劣ります。EC月商1,000万円超えるなら、Klaviyo検討が業界の標準的な判断です。
- MailchimpとConvertKitはどちらがクリエイター向きですか?
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業界の体感では、個人クリエイター・ブロガーにはConvertKit(現Kit)のほうが設計が合っています。ConvertKitは「クリエイター特化」で、シンプルなフォーム、ランディングページ、購読者管理に絞った設計です。Mailchimpの総合機能は、クリエイターにとっては過剰になりがち。一方、無料プランの寛大さや海外でのブランド認知ではMailchimpが優位です。月13ドル〜の有料移行を前提とするなら、ConvertKitが向いている場合が多いです。
- Mailchimpの無料プランで本当に運用できますか?
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業界の体感では、連絡先500件未満・月1,000通配信なら無料で運用できます。ただし、Mailchimpブランドロゴがメール末尾に強制表示される、自動化機能が制限される、こういう制約があります。本気で運用するなら、Essentialsプラン(月13ドル〜)以上が現実的です。無料プランは「お試し体験」と位置づけるのが業界の標準的な見方です。
- Mailchimpの主要プラン比較は?
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業界で語られる目安は以下です。
プラン 月額(連絡先500件想定) 主な特徴 Free 0ドル 連絡先500件まで、月1,000通配信、Mailchimpロゴ表示 Essentials 13ドル〜 ロゴ削除、A/Bテスト、24時間サポート Standard 20ドル〜 Customer Journey、行動ベース自動化、レコメンド Premium 350ドル〜 無制限ユーザー、専任サポート、高度な分析 事業規模と必要機能に応じて使い分けます。連絡先数が増えるほど月額も上昇する従量課金構造です。
まとめ
で、結局Mailchimpとは、こういうことです。
- Mailchimpの核心は「メール配信ツール」ではなく「初心者向け総合マーケ基盤+ブランドマスコットで親しみやすさを武器にしたサービス」
- 本質は機能の高度さではなく、初心者がマーケを始める入口設計
- 4タイプ(個人ブロガー/SMB/ECショップ/代理店)から事業性質に最適な使い方を選ぶ
Mailchimpは「マーケの最初の一歩」専用ツールです。マーケ習熟が進めば、事業性質に応じて他ツール(MyASP・ActiveCampaign・Klaviyo・ConvertKit等)へ移行していくのが業界の標準。検討しているなら、自分の事業段階と将来計画から、Mailchimpが適切な選択かを整理してみてください。
ではでは。
