景表法を5分で理解する|マーケ・ファネル用語集

景表法』って言葉、LPの文言チェックで何度も出てきますよね。でも、いざ「これって景表法的にOK?」と聞かれて、根拠条文ベースで答えられますか?

株式会社Cameen 西村温裕ことおんゆーです。

この記事でわかること
  • 景表法(景品表示法)とは「広告の嘘を取り締まる法律」だけではなく「消費者の合理的な選択を守るための表示・景品ルール」のこと
  • 本質は「文言の良し悪し」ではなく「一般消費者がどう誤認するか」の判定
  • 景表法の3つの規制(優良誤認・有利誤認・指定告示)の中身と判定基準
  • うちでLP・メルマガを運用して実際にぶつかった3つの典型違反パターン
  • 体験談・No.1表記・before/after写真・「業界初」表記の合法ライン

近年、消費者庁による景表法違反の措置命令・課徴金納付命令が、毎月のようにニュースで流れています。化粧品の効果効能表示、ダイエット食品のbefore/after、情報商材の「月収100万円達成」、こういう表示が次々と摘発される時代になりました。

でも、いざ「景表法って具体的に何を禁止してるんですか?」「優良誤認と有利誤認の違いは?」「No.1表記はどこまでセーフ?」と聞かれると、答えに詰まる方が多いんですよね。「嘘の広告を禁止する法律」という認識で止まっていて、条文ベースの判定軸まで理解している人は意外と少ない。これ、自分だけだと思ってませんか?

うちは情報発信ビジネスを長く運用していて、LP・メルマガ・X・noteで日常的に文言を出しています。実際にLP制作の現場で「これって優良誤認になりませんか?」「体験談に注釈どこまで書けばOK?」と毎週のように判断してきた立場です。その中で見えてきたのは、景表法は「嘘を禁止する法律」ではなく「一般消費者がどう受け取るか」を基準にする独特の構造を持つ法律だということ。文言だけ見て判定しても、半歩ズレます。

もう1つ繰り返し痛感したのは、「条文を読んだだけで動ける気になって、実際の打ち分けで事故る」パターンが多いという事実。法律の条文と、消費者庁の運用指針と、過去の措置命令事例、この3層をセットで見ないと、現場の合法ラインが見えてきません。文言1つで課徴金数百万円〜数千万円の世界です。

今回はその「今さら聞けない景表法」を、消費者庁の運用指針と業界事例、そしてうちでLP運用してきた現場感覚も含めて深掘りしていきます。読み終わる頃には、自分のLPやメルマガを開いて「ここ危ない」「ここはOK」が、その場で判定できるレベルになっているはずです。

目次

結論:景表法の核心は「嘘の禁止」ではなく「一般消費者の誤認防止」

結論

景表法はよく「広告の嘘を禁止する法律」と説明されるんですが、これだと現場の判定で必ず詰まります。本当の核心はもう1段深いところにあるんです。

景表法の本当の正体は、「一般消費者が合理的に選択できるよう、商品・サービスの内容と取引条件について、誤認を生む表示と過大な景品提供を規制する法律」のことです。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」、これを略して景品表示法、さらに略して景表法と呼ばれます。

ポイントは「嘘かどうか」ではなく「一般消費者が誤認するかどうか」で判定される点。たとえ表示している事実が真実でも、書き方によって消費者が実際以上に良いと誤認すれば、景表法違反になりえます。逆に多少誇張に見える表現でも、消費者が誤認する余地がなければセーフ。判定の主語が「事業者」ではなく「一般消費者」にある、これが景表法の最大の特徴です。

景表法の規制対象は大きく2つ。「不当な表示」(優良誤認・有利誤認・指定告示)と「過大な景品提供」(総付景品・懸賞・オープン懸賞)。日常的に問題になるのはほぼ前者の表示規制で、特に優良誤認(品質を実際以上に良く見せる)と有利誤認(価格・条件を実際以上に得に見せる)、この2つが大半です。

違反すると、消費者庁から「措置命令」(表示の撤回・再発防止策の実施)、悪質な場合は「課徴金納付命令」(売上の3%が課徴金)が来ます。1件の違反で数百万円〜数千万円の課徴金が発生するケースもあるので、LP・メルマガを運用する事業者にとって、景表法の理解は経営リスクの管理そのものです。

なぜ「景品表示法」という名前なのか

もう少し深く掘ります。なぜこの法律は「景品表示法」という、2つの概念を並べた名前になっているのか。背景を整理します。

1960年代、日本では家電・洗剤・化粧品などの消費財メーカーが、過剰な懸賞景品(高級車プレゼント・海外旅行プレゼント)で消費者を引きつけ、商品本体の品質よりも景品の豪華さで購買を煽る販売競争が起きていました。これが「実質的な値引き競争の歪み」「品質に基づく合理的選択の阻害」を生んでいたんですよね。

同じ時期、ニセモノの表示・誇大広告(「ガン特効薬」「絶対痩せる」)も社会問題化していました。消費者が「過大な景品」と「誤認させる表示」、この2つの不当な販売手法で合理的な選択ができなくなっていた、と。これを一括して規制する目的で1962年に制定されたのが「不当景品類及び不当表示防止法」、つまり景表法です。

制定当初は公正取引委員会の管轄でしたが、2009年に消費者庁が発足してからは消費者庁の管轄に移行。さらに2014年改正で課徴金制度が導入され、悪質な違反には経済的制裁を伴う仕組みになりました。「注意するだけ」だった時代から「経営に直接効いてくる」時代に変わっています。

近年は、SNS広告・インフルエンサーマーケ・アフィリエイト・ステマ(ステルスマーケティング)、こういう新しい広告手法への対応も強化されています。2023年10月にはステマ規制が新設され、「広告と分からない形で広告する」行為そのものが景表法違反と明確化されました。情報発信ビジネスを運用する側にとって、毎年のように規制が広がっている領域です。

業界の構造としても、消費者庁の措置命令件数は近年増加傾向。2020年代に入ってからは月10〜30件ペースで措置命令が出ており、化粧品・健康食品・情報商材・金融商品の4ジャンルで全体の7割を占めます。情報発信・コンテンツビジネスの界隈にも、当然のように規制の網がかかっています。

広告を作る現場で何が起きているか

景表法の現場で、LP・メルマガを書く側、レビューする側、それぞれの頭の中で何が起きているかを段階別に分解します。

段階1:文言を考える側の頭の中

LPを書く側は、訴求力を最大化したい思考が先に立ちます。「絶対痩せる」「誰でも月収100万円」「業界唯一」、こういう強い言葉を入れたくなるんですよね。読み手の購買意欲を引き上げるには、断定的で派手な表現が効くので、心理的にはそちらに引っ張られます。

ただし、その文言が「一般消費者が実際の商品・サービスより著しく優良/有利と誤認する」レベルに達すると、景表法違反になります。書き手の頭の中では「これは表現だから」「みんな使ってる」と正当化しがちですが、消費者庁の判定はそこを見ません。

段階2:レビュー側の頭の中

レビュー側は逆方向のバイアスがかかります。「全部消したら売れない」「合法だけど弱い文言にしたくない」、こういう葛藤の中で判定するんですよね。完全に安全な文言だけにすると、訴求力がほぼゼロになるので、リスクとリターンのバランスを取る判断が常に発生します。

ここで起きるのが「うっすらグレー」の量産。明白な違反は誰でも気づきますが、微妙な表現は判定が分かれます。「業界トップクラス」「驚異の効果」「圧倒的人気」、こういう曖昧な誇張表現がLPに残るのは、レビュー側がリスクを取って通している結果です。

段階3:消費者庁の判定者の頭の中

消費者庁の判定者は、表示単体ではなく「表示全体から一般消費者が受ける印象」で見ます。文言1つだけ切り出して判定するのではなく、ファーストビュー全体・キャッチコピー・サブコピー・実績数字・体験談・注釈、これらが組み合わさって作る「総合印象」で違反かどうかを決めるんですよね。

つまり、各文言は単体で見ればセーフでも、全体構成で消費者が誤認する作りになっていればアウト。例えば「効果には個人差があります」と小さく書いていても、その上のメインコピーが「3ヶ月で必ず痩せる」だったら、注釈は判定に影響しません。総合印象がすべてです。

段階4:消費者の頭の中

消費者の頭の中では、注釈を読まずにメインコピーだけで判断するのが普通です。「※効果には個人差があります」「※モニター結果であり全員に同じ効果を保証するものではありません」、こういう注釈は、視線がほぼスキップする領域。消費者庁もそれを前提に判定しています。

だから「注釈さえ入れておけば免責される」というのは、ほぼ通用しません。注釈は「補強」にはなりますが、「メインコピーの嘘を打ち消す力」までは持たない、これが現場の感覚です。

段階5:措置命令・課徴金が来た時の頭の中

実際に措置命令が来ると、現場は一気に混乱します。「該当のLP・広告を全停止」「過去の表示について再発防止策の公表」「課徴金の算定(該当期間の売上の3%)」、こういう実務が一気に発生するんですよね。LPを差し止めれば売上が止まり、課徴金の請求も別で来る、二重の経営インパクトです。

さらに怖いのは、消費者庁の措置命令は公開される点。社名・違反内容・対象商品が消費者庁のサイトに掲載され、ニュースにも流れます。事業の継続自体が困難になるケースも珍しくありません。「ちょっとした文言の盛り」で、ここまで連鎖するのが景表法のリスクです。

身近な話で全体像をつかむ

ちょっと身近な話で、景表法の全体像を掴み直しましょう。

スーパーで卵を買う場面を想像してください。パックに「特選たまご・栄養価2倍」と大きく書いてあって、価格は通常価格の1.5倍。あなたはこれを見て「栄養が普通の卵の2倍あるなら、1.5倍の値段でも買う価値あるな」と判断して、カゴに入れます。

家に帰って、パックの裏の小さな注釈を読むと「栄養価2倍は当社比であり、一般的な栄養基準値と比較したものではありません」と書いてある。そして当社の通常卵と比べて2倍というだけで、市販の他社卵と比べたら同等以下。これ、気持ちとしては「だまされた」ですよね?

でも、文言の事実関係だけ見ると、「2倍」は事実、「当社比」も注釈で書いてある、表示自体は嘘ではない。なのに、消費者は誤認している。これが景表法の判定領域です。文言の良し悪しではなく「一般消費者が受け取る印象」で見るので、こういう「事実だけど誤認させる表示」がアウトになります。

もう1つの例。レストランで「期間限定50%OFFキャンペーン」のチラシ。元値が10,000円で、キャンペーン価格が5,000円と書いてある。これだけ見たら「半額だ、お得!」と思いますよね?

ところが実態は、過去1年間ずっと5,000円で販売していて、10,000円という元値で売った日が1日もない。これは景表法の「二重価格表示」違反、つまり有利誤認に該当します。元値の根拠がない比較は、消費者に「お得さ」を誤認させる典型パターンとして取り締まりの対象です。

これ、まんま情報発信・コンテンツビジネスのLPで起きてる構造なんです。「3ヶ月で月収100万達成」と書いて、実際にその数字を出した受講生が1人だけ、他は10万円程度。文言は事実、でも一般消費者は「みんなが達成できる数字」と誤認する。これがLP界隈で日常的に起きてる優良誤認の典型例です。

景表法は、「広告に嘘を書くな」というシンプルな法律ではなく、「消費者の頭の中で何が起きるか」を起点に判定する独特の構造の法律。だから、文言を書く側・レビューする側・代行業者、すべてが「一般消費者の視点」を1秒だけでも持つことが、現場の合法ラインを引く最初の作業になります。

景表法の3つの規制と禁止される表現

3つの規制を切り分けて理解する”} –>

景表法の表示規制は、大きく3つに分かれます。優良誤認・有利誤認・指定告示。この3つを切り分けて理解すると、LP・メルマガの文言レビューが一気にスムーズになります。

規制1:優良誤認(景表法5条1号)

商品・サービスの「品質・規格・効果・性能」を、実際よりも著しく優良に見せる表示。一番ヒット件数が多い違反類型です。化粧品の効果効能、健康食品の身体への作用、情報商材の成果実績、ここに該当する文言は要注意。

典型例は、「飲むだけで痩せる」「シミが消える」「絶対に英語が話せるようになる」「誰でも月収100万円」「特許取得済の独自技術」(実は特許取得していない)、こういう文言。事実と比べて消費者の誤認を生む「品質・効果側の盛り」がすべて優良誤認の対象です。

規制2:有利誤認(景表法5条2号)

商品・サービスの「価格・取引条件」を、実際よりも著しく有利に見せる表示。価格・割引・特典・期間、こちらは「取引条件側の盛り」です。

典型例は、二重価格表示(架空の元値からの割引表示)、「今だけ50%OFF」(実態は常時セール)、「数量限定◯個」(在庫無限)、「キャンペーン延長は今回限り」(毎月延長)、「初月無料」(実は2ヶ月目以降の解約条件が厳しく実質高額)、こういうパターン。価格・期間・条件で消費者の誤認を生む表現が全部入ります。

規制3:指定告示(景表法5条3号)

内閣総理大臣が個別指定する不当表示。「商品の原産国に関する表示」「不動産のおとり広告」「ステルスマーケティング(2023年10月施行)」、こういう特殊類型がここに入ります。

近年特に重要なのは2023年10月のステマ規制。広告主が「広告と分からない形で広告する」行為(インフルエンサーの提供商品レビューで「PR」表記なし、自社のサクラレビューなど)が、景表法違反として明確化されました。情報発信ビジネスでアフィリエイター・インフルエンサーを使う場合、ここの理解は必須です。

3つの規制を切り分けて整理すると、自分のLP・メルマガ・X投稿のどの部分にどの規制がかかるかが見えてきます。「効果・実績」を語る時は優良誤認、「価格・キャンペーン」を語る時は有利誤認、「PR・タイアップ」を扱う時はステマ規制、というふうに対応箇所が明確になります。レビュー時のチェックリストも、この3視点で分けると漏れがなくなります。

景表法違反になる典型3パターン

消費者庁の措置命令事例と、うちでLP・メルマガを運用してきた経験で繰り返し見てきた、景表法違反の典型パターンはこの3つに集約されます。

パターン1:体験談を「平均的成果」のように見せる”} –>

圧倒的に多い違反。受講生の中で最も成果が出た1〜2名の体験談だけをLPに並べて、「みんなこのレベル」という誤認を生むパターン。実際の平均値は10分の1だったりするんですよね。

合法ラインは、(1)体験談の隣に「個人の感想であり成果を保証するものではありません」だけでは足りない、(2)「受講生全体の平均値・中央値・達成率」を併記する、(3)体験談の数字が平均よりはるかに高い場合はその旨を明示する、ここまでやって初めて誤認防止になります。注釈だけで逃げると、表示全体の総合印象で誤認認定されるのが現実です。

パターン2:「業界No.1」表記の根拠が薄い”} –>

「業界No.1」「顧客満足度1位」「受講生数No.1」、こういうランキング表記の根拠が、第三者の客観調査ではなく自社調査だけだったり、調査対象の母数が極端に小さかったりするパターン。消費者庁は「No.1表記」のガイドラインを公表していて、合理的根拠の提示を求めています。

合法ラインは、(1)第三者調査会社の調査結果に基づく、(2)調査対象・期間・母数・調査方法を明記、(3)「2024年4月当社調べ・対象A社B社C社」のように具体的根拠を併記、(4)母数が極端に小さい場合はNo.1表記自体を避ける。「業界トップクラス」「圧倒的人気」も同じ判定軸に入るので注意。

パターン3:「期間限定」「特別価格」が常態化”} –>

「今だけ50%OFF」「キャンペーン本日まで」、こういう緊急性訴求が、実態は1年中続いているパターン。これは有利誤認の典型違反で、消費者庁のガイドラインで「最近相当期間にわたって販売実績のない元値」での比較は禁止されています。

合法ラインは、(1)元値で実際に8週間以上の販売実績があること、(2)割引期間と通常期間の比率が明確に分かれていること、(3)「期間限定」表記をするなら本当に期間限定にする、(4)毎月のように「延長」を繰り返さない。LP運用で売上を維持したい気持ちはわかりますが、ここの誇張は措置命令の引き金になります。

うちで運用してわかった本音(LP表示・体験談・No.1表記)

うちは情報発信ビジネスでLP・メルマガを多数運用してきました。その中で実際に景表法と向き合って、文言1つ単位で判断してきた経験から、本音をお伝えします。

本音1:体験談を「成果保証の代用」にしようとすると必ず詰まる

うちのLP運用で何度もぶつかったのが、「成果実績の数字を出したいけど、平均値だと弱い」というジレンマです。受講生の中で突出した結果を出した方の数字をメインに出したくなる気持ちは、LPを作る側なら誰でもわかります。でも、突出値だけ並べると優良誤認のラインに足を踏み込みます。

うちでたどり着いた運用は、「突出値と平均値をセットで出す」「達成までの期間・条件・前提を明示する」「N=1の体験談には『個人の取り組みによる結果です』を添える」、この3つをセットにする方針です。最初は「弱くなる」と感じましたが、結果としてLPの信頼感が上がり、購入後の期待値ギャップによるクレームも減る効果が出ました。誇張で釣るより、誠実な実績提示の方が、長期的な売上にも効きます。

本音2:No.1表記は「自社調べ」だけだと弱いし危険

「業界No.1」「受講生数No.1」、こういう表記は訴求力が強いので、LP制作の現場で必ず議論になります。うちでも初期は「自社調べ」のNo.1表記を出していた時期がありました。でも、ある時期から消費者庁のNo.1表記ガイドラインを精読し直して、運用を変えました。

判断の結論は、「第三者調査会社の客観調査ベースでない限り、No.1表記は使わない」。代わりに「これまで◯名の方をサポート」「累計◯件の導入実績」のように、客観的に数えられる数字を提示する形に変えました。No.1の表記力は強いですが、根拠が薄いと措置命令リスクが大きい。数字の事実を淡々と出す方が、長期的に安全で、しかも信頼感の蓄積になります。

本音3:LPの「ファーストビュー」で勝負しすぎると違反ラインに近づく

これは現場で運用してきた人間の実感なんですが、LPのファーストビュー(画面最上部の領域)は、コンバージョン率に最も影響する場所なので、つい強い文言を入れたくなります。「3ヶ月で月収100万」「絶対に成果が出る」、こういう断定的表現はクリック率・滞在時間に効きます。

ただ、ファーストビューで断定すると、表示全体の総合印象が「成果保証LP」になります。下に注釈を入れても、最上部の断定が消費者の頭の中で残り続けるので、誤認が打ち消されません。うちで運用していてたどり着いた指針は、「ファーストビューでは事実ベースの数字と問いかけだけにする」「期待値の上振れ表現は本文セクションに移動して、注釈・前提とセットで提示する」、これです。

具体的には、ファーストビューでは「累計◯名のサポート実績」「これまでに集まった事例の構造分析を公開」のように事実を出し、その下のセクションで「実際に成果を出された方の事例」を、個人差の注釈と平均値と一緒に提示する構造。最初は弱く感じましたが、これに変えてから措置命令リスクの心配を頭の片隅から外せるようになりました。LP制作の労力としても、レビュー往復が減るので結果的に楽です。

本音4:ステマ規制で「アフィリエイター記事」の運用が全部変わる

2023年10月のステマ規制施行で、うちの運用も大きく変えました。アフィリエイターさんが書く紹介記事、インフルエンサーさんへの商品提供を伴う投稿、こういうコンテンツに「広告」「PR」「タイアップ」表記を明示的に入れる運用に切り替えました。

大事なのは、「広告主が表示位置・色・大きさを指示できる体制」を作ること。アフィリエイターさんに「PR表記入れてください」と依頼するだけでは不十分で、「ファーストビュー内・本文と同サイズ・色は本文と同色」まで仕様化しないと、消費者庁の判定では「広告と分からない」と認定されます。広告主側の責任が問われる構造なので、契約書・運用ガイドラインまで整備しないと事故ります。

景表法を守りながら訴求力を上げる5STEP

ここまで読んでくださった方、お疲れさまです。景表法を守りながら、訴求力のあるLP・メルマガを作るための実務STEPを置いておきます。

STEP1
自社の実績数字を「事実ベース」で全棚卸し

突出値ではなく、累計実績・平均値・達成率・継続率、こういう客観的に検証可能な数字を全部洗い出す。「最大」「最高」「最良」を出すなら、その根拠データもセットで揃える。ここの土台がないと、後工程で必ず詰まります。

STEP2
体験談は「平均と突出値をセット提示」の構造に

体験談を出す時は、必ず「平均値・達成率・条件・前提」と一緒に提示する構造をテンプレ化する。1名の体験談だけを並べて「これが平均」と誤認させない。注釈ではなく構造で誤認を防ぐ作りに。

STEP3
No.1・最大級表記は第三者調査ベースに限定

「No.1」「最大級」「業界最安値」を使うなら、第三者調査会社の客観調査結果ベースに限定。調査対象・期間・母数・方法を併記する運用に切り替える。自社調べだけのNo.1表記は基本的に使わない方針が、長期的に安全。

STEP4
価格・キャンペーン表記の二重価格ルールを徹底

元値からの割引表記は、その元値で実際に8週間以上の販売実績があるものに限定。「期間限定」を出すなら本当に期間限定で運用し、毎月延長を繰り返さない。価格表示の運用ルールを社内で文書化して全LPで統一する。

STEP5
第三者レビューと過去事例検索を運用フローに組み込む

LP公開前に、社内ダブルチェック→外部の景表法詳しい人(弁護士・元代理店レビュアー)に最終確認→消費者庁の措置命令事例DBで類似表現を検索、この3段階を運用フローに組み込む。1回で完璧を狙わず、運用の中で違反リスクを潰し続ける体制を作る。

景表法は「やってはいけないことのリスト」ではなく、「消費者の合理的選択を守るための表示・景品ルール」です。守るほどLPの信頼感が増し、購買後のクレームも減り、長期的な売上にも効いてきます。攻めと守りのバランスを設計しなおすと、訴求力と合法性の両立は十分に可能な領域です。

セットで知っておくべき関連用語
優良誤認
商品・サービスの品質・効果・性能を、実際よりも著しく優良に見せる表示。景表法5条1号。化粧品・健康食品・情報商材で頻発する違反類型。
有利誤認
商品・サービスの価格・取引条件を、実際よりも著しく有利に見せる表示。景表法5条2号。二重価格・架空の期間限定・実態のない数量限定が典型。
措置命令
消費者庁が景表法違反に対して出す行政処分。違反表示の差止め・再発防止策の公表・社内研修の実施などが命じられる。
課徴金
悪質な景表法違反に対して、対象期間の売上の3%が国庫に納付される経済的制裁。2014年改正で導入された。
ステマ規制
2023年10月施行の指定告示。広告と分からない形で広告する行為を景表法違反とする規制。アフィリエイト・インフルエンサーマーケに大きく影響。

よくある質問(FAQ)

「個人の感想です」と注釈を入れれば体験談はOK?

注釈だけでは免責になりません。消費者庁は「表示全体から一般消費者が受ける印象」で判定するため、メインコピーが断定的だと注釈で打ち消せない構造です。体験談を使うなら、平均値・達成率・条件・前提とセットで提示する構造設計が必要です。

「業界初」「日本初」表記の根拠はどこまで必要?

「初」表記は優良誤認の主要対象です。合法ラインは、(1)第三者機関や業界団体の客観データに基づく、(2)「初」の対象範囲(業界・地域・サービス種類)を明確に定義、(3)調査時点を併記、(4)競合の新規参入で「初」でなくなった場合は速やかに表記を修正、この4点。自社調べだけでは根拠として弱く、措置命令リスクがあります。

アフィリエイターの記事も広告主が責任を負う?

はい。2023年10月のステマ規制以降、広告主側の責任が明確化されました。アフィリエイターの記事内容、PR表記の有無、表示位置・色・大きさ、すべてを広告主側が指示・確認できる体制が必要です。「アフィリエイターが勝手に書いた」では免責になりません。契約書・運用ガイドライン・チェック体制までセットで整備する必要があります。

課徴金はどのように計算される?

違反対象表示が行われた期間中の、対象商品・サービスの売上の3%が課徴金として国庫に納付されます。期間は最大3年間遡及。例えば月商1,000万円の商品で12ヶ月間違反表示があった場合、1.2億円の売上×3%=360万円が課徴金になります。自主申告で50%減額される制度もあります。

違反類型別の措置命令件数の傾向は?

消費者庁公表データの体感的な目安は以下です。

違反類型件数シェア主な業界
優良誤認約60%化粧品・健康食品・情報商材
有利誤認約30%EC・通信・サブスク
指定告示約10%不動産・原産国・ステマ

業界・商品ジャンルによって違反類型の傾向が大きく変わります。

まとめ

で、結局景表法とは、こういうことです。

  • 景表法の核心は「嘘の禁止」ではなく「一般消費者の合理的選択を守るための誤認防止」
  • 3つの規制(優良誤認・有利誤認・指定告示)を切り分けてLP・メルマガをレビューする
  • 体験談・No.1表記・期間限定キャンペーン、この3点が日常運用で最も違反しやすい領域

文言を盛って一時的に売るのではなく、事実ベースで信頼を積み上げる方が、長期的な売上にも、措置命令リスクの管理にも効きます。今手元にあるLPやメルマガを、一度この記事の3規制で見直してみてください。

ではでは。

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この記事を書いた人

株式会社Cameen代表 西村温裕(Haruhiro)。2019年からコンテンツビジネスを8年運営。

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